色々な予防接種|天童市泉町の小児科|天童ハート小児科

〒994-0015山形県天童市泉町1丁目7−3
  • web予約
  • LINE
ヘッダー画像

色々な予防接種

色々な予防接種|天童市泉町の小児科|天童ハート小児科

色々な予防接種(ワクチン)

色々な予防接種(ワクチン)

2024年7月時点の情報に基づいています。ワクチンの情報は頻繁に更新されるため、最新の情報は日本小児科学会のウェブサイトをご確認ください。▶️公益社団法人 日本小児科学会公式サイトはこちら

ワクチンの種類

生ワクチン
病原性を弱めてほぼ無害化したウイルスや細菌そのものを使用します。
不活化ワクチン
病原体となるウイルスや細菌を不活化(感染力を消失)させたもの、または病原体が産生する毒素を無毒化したものを使用します。
mRNAワクチン
病原体の一部をコードするメッセンジャーRNA(mRNA、設計図のようなもの)が含まれ、注射した人の細胞内でタンパク質を作成させて免疫反応を引き起こします。

混合ワクチン

2種類以上のワクチンを混合したものです。アルファベットの表記は英語の病名の頭文字をとったものです。

  • MRワクチン:麻疹(M)と風疹(R)
  • DTP-IPV-Hibワクチン(五種混合ワクチン): ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)、ヒブ(Hib)
  • DPT-IPVワクチン(四種混合ワクチン)
  • DPTワクチン(三種混合ワクチン)
  • DTワクチン(二種混合ワクチン)

ワクチンの接種方法

  • 皮下注射:上腕や大腿の皮下脂肪に注射します。日本では多くのワクチンが皮下注射されています。
  • 筋肉注射:肩の近くや大腿の筋肉に注射します。HPVワクチン、新型コロナウイルスワクチンで用いられます。5種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチンは皮下注射あるいは筋肉注射が行われます。
  • 経皮接種:左上腕外側に行うハンコ注射です。BCGが該当します。
  • 経口接種:口から飲むワクチンです。ロタワクチンが該当します。

定期接種と任意接種

    • 定期接種 対象年齢のうちであれば原則公費で(自己負担なしで)受けられるワクチンです。
    • 任意接種 接種費用は基本的に自己負担となりますが、自治体によっては接種費用の助成が受けられる場合もあります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください

 

これらの予防接種の重要性に差はありません。定期接種と任意接種を区別せず、必要なワクチンはすべて受けることが、子どもを感染症から守るために重要です。

ロタウイルスワクチン (定期接種/生ワクチン/経口接種)

<接種対象/推奨スケジュール>

ロタウイルスワクチンには1価ワクチンと5価ワクチンがあり、接種スケジュールが少し異なります。いずれも、通常生後2か月から1回目の接種を開始し、腸重積の合併症を回避するために生後14週6日までに接種を開始する必要があります。

      • 1価ワクチン(ロタリックス®︎):1回目の接種後27日以上あけて2回目を接種します。
      • 5価ワクチン(ロタテック®︎):1回目の接種後27日以上あけて2回目を、2回目から27日以上あけて3回目を接種します。

<予防できる感染症>

ロタウイルスによる急性胃腸炎を予防します。発熱、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛があり、特に嘔吐がひどく水分が取れずに脱水状態になると、入院して点滴治療が必要になります。

小児用肺炎球菌ワクチン  (定期接種/不活化ワクチン/皮下注射あるいは筋肉注射))

<接種対象/推奨スケジュール>

通常生後2か月に接種を開始し、27日以上の間隔をあけて3回接種します。さらに、生後12か月~15か月で3回目の接種後60日以上あけて4回目の追加接種を行います。初回の接種が生後7か月以降になってしまった場合や接種漏れがある場合は、接種間隔や回数が異なります。詳細は医師に相談してください。

<予防できる感染症>

肺炎球菌による感染症を予防します。肺炎球菌は、肺炎、中耳炎、髄膜炎、菌血症などの重篤な感染症を引き起こすことがあります。特に乳幼児はこれらの感染症が重症化しやすいです。

5種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチン  (定期接種/不活化ワクチン/皮下注射あるいは筋肉注射))

5種混合ワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ、ヒブを含むワクチンです。

<接種対象/推奨スケジュール>

通常生後2か月に接種を開始し、27日以上の間隔をあけて3回接種します。さらに、1歳早期に3回目の接種後7~13か月程度あけて4回目の追加接種を行います。初回の接種が生後7か月以降になってしまった場合や接種漏れがある場合は、接種間隔や回数が異なります。詳細は医師に相談してください。

2種混合(DT)ワクチン  (定期接種/不活化ワクチン/皮下注射)

2種混合ワクチンは、ジフテリア及び破傷風を予防するワクチンです。。

<接種対象/推奨スケジュール>

11歳から12歳の間に接種します。

3種混合(DPT)ワクチン  (任意接種/不活化ワクチン/皮下注射)

3種混合ワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風を予防するワクチンで、任意接種(自費)として接種されています。

<接種対象/推奨スケジュール>

就学前に3種混合ワクチンの追加接種が推奨されています。
11歳から12歳の時に、定期接種の2種混合ワクチンではなく3種混合ワクチンを接種することが日本小児科学会から推奨されていますが、その場合は任意接種となります

<上記の混合ワクチンで予防できる感染症>

      • ジフテリア:喉の痛み、発熱、呼吸困難が生じ、重症化すると心臓や神経に悪影響を及ぼし命に関わることもあります。(昔の死亡率:10~20%)
      • 百日咳:乾いた咳が長期間続き、赤ちゃんは呼吸困難やチアノーゼ、けいれんを起こし、命に関わることもあります。(昔の死亡率:5~10%)
      • 破傷風:傷口から菌が入り感染し、けいれんや麻痺を引き起こす、死亡率の高い感染症です。(昔の死亡率:30~50%)
      • ポリオ:脊髄や脳を攻撃し筋肉の麻痺を引き起こします。特に脚に影響し、重症の場合は呼吸筋麻痺で呼吸困難となります。(昔の死亡率:5~10%)
      • ヒブ:Hib菌による感染症で、中耳炎や肺炎を引き起こします。細菌性髄膜炎、敗血症、急性喉頭蓋炎などの原因となって命を脅かすこともあります。

B型肝炎  (定期接種/不活化ワクチン/皮下注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

通常生後2か月から開始します。2回目は1回目から27日以上あけて、3回目は1回目から139日(20週)以上あけて接種します。
母親が妊娠中にB型肝炎のキャリアであることが分かった場合、母子感染予防として、出産した医療機関から特別な接種スケジュールの指示があります。

<予防できる感染症>

B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスの感染および母子感染を予防します。感染した場合、将来的に慢性肝炎や肝硬変、肝がんを発症するリスクがあります。

BCG  (定期接種/生ワクチン/経皮接種⦅はんこ注射⦆)

<接種対象/推奨スケジュール>

標準的な接種期間は生後5か月から8か月で、1回注射します。

<予防できる感染症>

結核の重症化を予防します。結核は通常長引く咳嗽の原因となりますが、BCGは結核性髄膜炎や粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)と言われる重症なタイプの感染を防ぐ働きがあります。

日本脳炎ワクチン  (定期接種/不活化ワクチン/皮下注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

      • 第1期と第2期に分かれており、合計4回接種します。
      • 第1期:通常3歳に1回目の接種をし、6日~27日あけて2回目を接種します。3回目(1期追加)は2回目から概ね1年後に接種します。
      • 第2期:9歳から12歳までの間に4回目として接種します。

<予防できる感染症>

日本脳炎ウイルスは、主に養豚場のブタから蚊が媒介して感染し、突然の高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状が現れます。さらに、知覚障害や運動障害などの後遺症が残ることがあり、命に関わることもあります。(昔の死亡率:20~30%)

麻疹・風疹(MR)ワクチン  (定期接種/生ワクチン/皮下注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

合計2回接種します。

      • 第1期:1歳になったらすぐの接種が推奨されています。
      • 第2期:年長さんで1回接種します。

<予防できる感染症>

麻疹(ましん)は、高熱、発疹を引き起こし、肺炎や脳炎を併発すると命に関わることもあるウイルス感染症です。
風疹(ふうしん)は、高熱、発疹、首のまわりや耳の後ろのリンパ節の腫れが見られるウイルス感染症です。妊娠初期の妊婦さんが感染すると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気(心臓の奇形、白内障、難聴)を持って生まれる危険性があります。

水痘(みずぼうそう)ワクチン  (定期接種/生ワクチン/皮下注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

合計2回接種します。

      • 1回目:1歳になったらすぐ、MRワクチンの第1期と同時の接種が推奨されます。
      • 2回目:通常、1回目の接種から6~12か月の間隔をおいて接種します。

<予防できる感染症>

水痘(みずぼうそう)は、発熱と全身の水疱が見られるウイルス感染症です。一度水痘にかかると体内に住み続け、免疫能が低下した時などに帯状疱疹を引き起こすことがあります。

おたふくかぜワクチン  (任意接種/生ワクチン/皮下注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

MRワクチンと同時の接種が推奨されています。

      • 1回目:1歳になったらすぐの接種が推奨されています。
      • 2回目:年長さんで1回接種します。

<予防できる感染症>

おたふくかぜに罹ると、発熱や耳下腺の腫れなどが見られます。無菌性髄膜炎・脳炎・難聴・精巣炎(不妊症)などの重い合併症を起こすこともあります。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(子宮頸がんなどの予防ワクチン)

(定期接種(女子)、一部任意接種(男子)/不活化ワクチン/筋肉内注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

2価、4価、9価の3種類のワクチンがあり、それぞれ接種スケジュールが異なります。

      • 2価(サーバリックス®︎):小学6年生から高校1年の女子が定期接種の対象です(標準は中学1年生の間)。通常は初回接種から1か月後に2回目を、初回接種から6か月後に3回目を接種します。
      • 4価(ガーダシル®︎):小学6年生から高校1年の女子が定期接種の対象です(標準は中学1年生の間)。通常は初回接種から2か月後に2回目を、初回接種から6か月後に3回目を接種します。
        男子も、任意接種として接種可能です。
      • 9価(シルガード®︎):小学6年生から高校1年の女子が定期接種の対象です(標準は中学1年生の間)。通常は2回接種で、初回接種から6か月後に2回目を接種します。ただし、15歳以上で開始した場合は3回接種が必要となり、通常は初回接種から2か月後に2回目を、初回接種から6か月後に3回目を接種します。

<接種機会を逃した人のキャッチアップ接種>

1997年4月2日から2007年4月1日生まれの女子は、2025年3月までの間、定期接種としてHPVワクチンを無料で受けられます。

<予防できる感染症>

子宮頸がんなどのがんや尖圭コンジローマなど、ヒトパピローマウイルスによって発生する疾患を予防します。現在日本で年間約2,900人の女性が子宮頸がんで死亡しています。

      • 2価:子宮頸がんなど(16、18型)
      • 4価:子宮頸がんなど(16、18型)、尖圭コンジローマ(6、11型)
      • 9価:子宮頸がんなど(16、18、31、33、45、52、58型)、尖圭コンジローマ(6型、11型)

インフルエンザワクチン(任意接種/不活化ワクチン/皮下注射)

<接種対象/推奨スケジュール>

インフルエンザウイルスには様々な株があって毎年流行する株が異なること、接種後の効果が長続きしないこと、などから、毎年の接種が必要です。冬に流行するので、10月末~11月からワクチン接種を開始します。
生後6か月以上13歳未満は年2回、13歳以上は通常年1回接種します(2回接種も可能)。

<予防できる感染症>

インフルエンザは38℃以上の高熱、頭痛、のどの痛み、咳、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状を引き起こします。時にインフルエンザ脳症の原因となり、生命に関わることがあります。