小児心臓外来

天童ハート小児科では、その名の通り、子供の心臓(heart, ハート)に関する専門診療を行っています。心臓は、皆様がイメージする通り、まさに命そのものです。全身の隅々に血液を送り、人が生きるのに欠かすことのできない酸素と栄養を、一時も休むことなく送り続ける、とても大切な臓器です。
当院の院長は、小児科専門医であるとともに、日本小児循環器学会専門医および日本成人先天性心疾患専門医の資格を有しています。また、開業直前まで山形大学医学部附属病院の小児循環器グループ長を務めていました。
学校心臓検診で心電図異常を指摘されたお子さん、乳幼児健診で心雑音を指摘されたお子さん、胸の痛み・動悸・脈が飛ぶ感じがあるお子さん、先天性心疾患や川崎病後のフォローが必要なお子さんについて、心電図、心エコー、必要に応じてホルター心電図などを用いて評価します。
天童市だけでなく、東根市、寒河江市、河北町、山形市など近隣地域からのご相談にも対応しています。
| きっかけ・症状 | 考えること | 詳しい説明 |
|---|---|---|
| 学校心臓検診で心電図異常を指摘された | 脚ブロック、WPW症候群、QT延長、期外収縮、房室ブロックなどを確認します。 | 心電図異常 |
| 心雑音を指摘された | 無害性心雑音か、心房中隔欠損症・心室中隔欠損症などが隠れていないかを確認します。 | 子どもの心雑音 |
| 胸の痛みがある | 多くは心臓以外が原因ですが、運動中の胸痛、失神、動悸を伴う場合は詳しく確認します。 | 子どもの胸の痛み |
| 脈が飛ぶ、胸がドキッとする | 上室期外収縮、心室期外収縮、上室頻拍などの不整脈を確認します。 | 上室期外収縮 |
| 突然強い動悸が始まり、突然止まる | 上室頻拍やWPW症候群などを考えて評価します。 | 上室頻拍 |
| 右脚ブロック・左脚ブロックと言われた | 心電図所見を確認し、心エコーで心房中隔欠損症などが隠れていないかを確認します。 | 脚ブロック |
| QT延長と言われた | QT時間・QTc、症状、家族歴、薬剤、運動制限の必要性を確認します。 | QT延長症候群 |
| 運動制限や学校生活管理指導表について相談したい | 診断名、症状、心電図、心エコー所見をもとに、学校生活での運動可否を判断します。 | 運動制限 |
| 以前、他院の心臓外来に通院していたが、いつの間にか通院が途切れてしまった | 先天性心疾患、川崎病後、不整脈などで、現在もフォローが必要かどうかを確認します。過去の検査結果や手術歴が分かる資料があると診療に役立ちます。 | 通院が途切れている方へ |
| 心臓外来を卒業したが、胸痛・動悸・息切れなど気になる症状がある | 以前の病気や手術歴を確認し、現在の症状が心臓と関係するかを評価します。必要に応じて、心電図、心エコー、ホルター心電図を行います。 | 心臓外来卒業後の相談 |
| 検査 | 分かること | 主に行う場面 |
|---|---|---|
| 12誘導心電図 | 不整脈、脚ブロック、WPW症候群、QT延長など | 学校心臓検診で心電図異常を指摘された時、動悸・胸痛がある時 |
| 心エコー | 心臓の形、弁の動き、血液の流れ、心房中隔欠損症など | 心雑音、先天性心疾患の確認、川崎病後のフォロー |
| 胸部レントゲン | 心臓の大きさ、肺の状態、気胸など | 胸痛、息苦しさ、心拡大が心配な時 |
| ホルター心電図 | 24時間の日常生活中の不整脈 | 動悸、脈が飛ぶ、失神、頻度の少ない不整脈の確認 |
| 血液検査 | 貧血、炎症反応、電解質、甲状腺機能、心臓への負担の目安など | 動悸、息切れ、胸痛、QT延長、心筋炎・心不全などが心配な時 |
検査は、お子さんの症状、年齢、学校心臓検診の結果、過去の検査結果などを確認したうえで、必要なものを選んで行います。
特に学校心臓検診の結果用紙は、診療方針を決めるうえで重要です。お持ちの場合は忘れずにご持参ください。
| 内容 | 当院での対応 |
|---|---|
| 学校心臓検診での心電図異常 | 心電図、心エコー、必要に応じてホルター心電図で評価します。 |
| 心雑音の精査 | 聴診と心エコーで、無害性心雑音か心臓病が隠れているかを確認します。 |
| 軽症〜中等症の先天性心疾患の経過観察 | 心エコーや心電図で定期フォローします。病状に応じて専門病院と連携します。 |
| 川崎病退院後のフォロー | 心エコーなどで冠動脈の経過を確認します。 |
| 以前、心臓外来に通っていたが通院が途切れている | 過去の検査結果や治療歴を確認し、現在の状態を評価します。必要に応じて専門病院へ紹介します。 |
| 心臓外来を卒業したが、気になる症状がある | 胸痛、動悸、息切れ、運動時症状などを確認し、必要な検査を行います。 |
| 重症心不全、重症肺高血圧、フォンタン術後、チアノーゼ残存など | 原則として大学病院などの専門施設でのフォローをおすすめします。 |
| 手術やカテーテル治療が必要な病気 | 専門施設へ紹介し、必要に応じて連携して診療します。 |
生まれつきの心臓の病気のことを、先天性心疾患と呼びます。
心臓の中の壁に穴が開いている、心臓の弁が狭い、しっかり閉じない、心臓の周りの血管に異常があるなど、さまざまなタイプがあります。
心雑音、哺乳不良、体重増加不良、チアノーゼ、学校心臓検診での異常などをきっかけに見つかることがあります。診断には心エコーがとても重要です。
経過観察だけでよいものから、手術やカテーテル治療が必要になるものまで、重症度はさまざまです。
関連ページ:
→ 心房中隔欠損症
→ 心室中隔欠損症
→ 卵円孔開存
→ 末梢性肺動脈狭窄
先天性心疾患を持って生まれたお子さんが成人すると、成人先天性心疾患患者さんと呼ばれるようになります。
小児期に手術を受けた後、「もう治ったから大丈夫」と言われ、定期的な通院をしていない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、手術後に長い時間が経過すると、弁膜症、心不全、不整脈、肺高血圧などの問題が生じることがあります。そのため、病気の種類によっては、成人後も定期的なフォローが必要です。
院長は、日本成人先天性心疾患専門医であり、成人先天性心疾患患者さんの診療経験があります。
上記に当てはまる方も、遠慮なくご相談ください。必要に応じて、成人先天性心疾患を診療できる専門施設と連携します。
心臓のリズムが一定でない状態を、不整脈と言います。
自覚症状がなくても、学校心臓検診や心電図検査で見つかることがあります。小学生以上では、胸がドキドキする、脈が飛ぶ、急に脈が速くなる、胸が苦しいなどの症状から気づかれることもあります。
不整脈には、経過観察でよいもの、薬が必要なもの、専門病院でカテーテル治療を検討するものなどがあります。
関連ページ:
→ 上室期外収縮
→ 心室期外収縮
→ 上室頻拍
→ WPW症候群
→ QT延長症候群
→ 脚ブロック
川崎病は、主に小学校入学前のお子さんに見られる病気です。
高い熱が続き、目、口、指先、皮膚、リンパ節などに特徴的な症状が出ることがあります。入院して点滴治療が必要になることが多い病気です。
川崎病では、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈に拡大や瘤ができることがあります。そのため、退院後も心エコーで冠動脈の経過を確認します。
冠動脈に異常が残っている場合は、総合病院や専門施設でのフォローが必要になることがあります。
子ども、特に思春期のお子さんでは、胸の痛みを訴えることがあります。
子どもの胸痛の多くは心臓以外が原因ですが、運動中の胸痛、失神を伴う胸痛、強い動悸を伴う胸痛、息苦しさを伴う場合は、心臓や肺の病気が隠れていないかを確認します。
心電図、胸部レントゲン、心エコー、必要に応じてホルター心電図などで評価します。
関連ページ:
→ 子どもの胸の痛み
心臓には4つの扉にあたる弁があり、その弁が閉じる時に心音が聞こえます。正常な心音とは別に聞こえる音を、心雑音と言います。
子どもの心雑音の多くは、心臓の形に異常がない無害性心雑音です。一方で、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、弁の異常などが隠れていることもあります。
心雑音の原因を確認するには、心エコーが役立ちます。
関連ページ:
→ 子どもの心雑音
心臓の診察では、微細な心雑音を確認するために、皮膚に直接聴診器を当てる必要があります。
特に思春期以降の女の子の場合は、保護者の方と女性スタッフ同席のもと、十分に配慮して診察を行います。
心エコーでは、胸に直接プローブを当てて検査を行います。先天性心疾患の心エコーでは、喉元からお腹まで広い範囲の観察が必要になることがあります。
シャツをまくり上げただけでは観察が不十分になったり、衣服にゼリーが付着したりすることがあるため、必要に応じて上半身の衣服を脱いでいただく場合があります。
思春期以降の女の子の場合は、診察ベッドごとカーテンで隔離し、女性スタッフがタオルを掛けるなどの配慮を行います。検査の際は、保護者の方にも同席いただけます。
小さなお子さんの場合は、前開きの服で来ていただくと、検査がスムーズです。
先天性心疾患の一部では、感染性心内膜炎という病気に注意が必要です。
感染性心内膜炎は、心臓や血管の内側に細菌が住み着いてしまう重い感染症です。病気の種類や手術後の状態によって、リスクが高くなる場合があります。
虫歯の予防、皮膚の感染症の予防、アトピー性皮膚炎の治療、リスクを高める医療行為の際の抗菌薬内服などが必要になることがあります。
当院では、必要に応じて分かりやすい資料を用いながら、日常生活での注意点を説明します。
関連ページ:
→ 感染性心内膜炎
心臓病や心電図異常がある場合、運動制限が必要になることがあります。
学校生活では、体育、部活動、水泳、マラソン大会など、心臓に負担がかかる場面があります。そのため、必要に応じて学校生活管理指導表を用いて、運動の範囲を学校へ伝えます。
運動制限の必要性は、病名だけで決まるものではありません。症状、心電図、心エコー、運動中の症状、治療状況などを総合して判断します。
学校生活管理指導表が必要な場合は、学校から渡された用紙をお持ちください。
関連ページ:
→ 運動制限(学校生活管理指導表)
学校から医療機関受診の指示があった場合は、受診して確認することをおすすめします。
学校心臓検診は、症状がない子どもの中から、念のため詳しく確認した方がよい心電図異常や心雑音を見つけるための検査です。多くは経過観察や問題なしとなりますが、まれに治療や専門的な評価が必要な病気が見つかることがあります。
心雑音の聞こえ方、年齢、症状、診察所見によって判断します。
無害性心雑音のことも多いですが、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、弁の異常などが隠れていることもあります。必要に応じて心エコーで確認します。
子どもの胸痛では、心臓以外が原因のことも多いです。
ただし、運動中の胸痛、失神、強い動悸、息苦しさ、顔色不良を伴う場合は、心臓や肺の病気が隠れていないか確認します。
12誘導心電図、必要に応じてホルター心電図で確認します。
発作がある場合は、いつ始まったか、どれくらい続いたか、心拍数、胸痛や失神の有無を記録しておくと診断に役立ちます。
相談できます。
院長は日本成人先天性心疾患専門医です。小児期に先天性心疾患を指摘された方、手術後に通院が途絶えている方、成人後のフォローについて迷っている方もご相談ください。病状によっては専門施設と連携します。
相談できます。
重症心疾患の定期フォローは専門病院をおすすめする場合がありますが、予防接種や一般的な風邪症状の相談は当院でも対応しています。基礎疾患の内容や主治医からの指示がある場合は、受診時にお伝えください。
このページを書いた人:
天童ハート小児科 院長 高橋辰徳
小児科医/小児循環器診療/成人先天性心疾患診療
このページは、子どもの心雑音、学校心臓検診での心電図異常、胸痛、動悸、先天性心疾患、川崎病後のフォローなどについて、小児循環器外来でよくあるご相談をもとに作成しています。
最終更新日:2026年7月10日