予防接種Q&A
▶️日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」はこちら〔公益社団法人 日本小児科学会公式サイト〕
▶️ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る〔NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会サイト〕
VPDとは”ワクチンで防げる病気”のことでVaccine(ワクチン)Preventable(防げる)Diseases(病気)の略です。
注射は痛いので、嫌がるのは当然です。当院からおすすめしたい対応は以下の通りです
良くない例:「痛くないから(←痛いです)」「今日は注射しないから(←します)」
悪気のない嘘でも、注射をされるとお子さんは「騙された」と大きなショックを受けます。親御さんが「嘘をつく人」と認識されると、親子の信頼関係に影を落とすこともあります。
良くない例:「言うこと聞かないと、注射してもらうよ」「泣いたらもう一つ注射してもらうよ」予防接種は罰ではありません。お子さんを病気から守るために行う、とても大切な医療行為です。予防接種と罰を結び付けられて育てられたお子さんが大人になった時、「あらゆるワクチンは悪、注射しない方が良い」という主張を聞いたらどう思うでしょうか?ワクチンに対するネガティブな思いと非常に親和性が高く、傾倒しやすくなってしまうかもしれません。
例:「痛いし怖いし、嫌だよね。注射の時はギュッと抱っこしてあげるから頑張ろうね」
注射されるお子さんを「かわいそう」と思うのではなく、「痛みを半分こする」つもりで抱いてあげると良いこともあります。
例:「注射をすると、バイキンに負けない強い体になるんだよ。だから頑張ろうね」
繰り返し、自宅にいる時から説明してあげると効果的です。
例:「痛いのにとってもよく頑張ったね」是非大げさに褒めてあげてください。我々スタッフ一同も一緒に褒めてあげます!
例:「泣いちゃったけど、動かないように頑張ったんだよね。偉かったよ」
接種部位を予め冷やしておくことで痛みを軽減するなどの工夫が出来ることもあります。ご相談ください。
可能な限り自主的に注射ができるよう配慮することは大事ですが、最終的にはしっかり抱っこして注射するしかないこともあります。嫌な時間を長引かせず、手早く終わらせることも重要です。
アナフィラキシーの可能性がほぼなくなる接種後30分が経過してから授乳するようにしてください。
薬局、スーパーなど、ちょっとした外出は構いません。普段とは違う疲れやすいイベントは避けるのが無難です。
接種から1時間経過したら保育園に預けて構いません。しかし、注射の後は倦怠感、発熱などが見られることがあり、預からないように決めている園もあります。それぞれの園にお問い合わせください。
予防接種をした箇所が痛んだり、倦怠感があったり、熱っぽさなどの不調を感じることがあります。そのため、言葉を話せない赤ちゃんは泣いて教えようとします。少し機嫌が悪い程度で普段と大きく変わらず過ごせている場合は、受診の必要はありません。多くの場合、接種の翌日には治まります。
予防接種は、病原体そっくりなものを体内に入れ、体の免疫系を活性化させるものです。この過程で風邪をひいたような状態になることがあり、その際に体力を回復させるためにぐっすり眠ることがあります。
便が緑っぽくなることもありますが、通常心配ありません。
規程通りに初回接種を14週6日までに行い、生後24週までに接種を完了した場合、腸重積になる可能性は非常に低いです。(1/10万程度)
2024年10月時点で、ロタリックス、ロタテックの2種類のワクチンが日本で使用されておりますが、その効果に大きな差はないと考えられています。どちらも同じように推奨されるワクチンです。
少量でも飲み込んでいれば十分な効果があるため、飲み直しはしません。
各予防接種ごとに接種時期・間隔が決まっています。異なる予防接種同士は同時に打ったり、短期間のうちに接種することも可能です。
ただし、注射タイプの生ワクチン(麻疹/風しん、水痘、おたふく)同士は中27日以上の間隔をあける必要があります。
これらはRSウイルスに対するモノクローナル抗体といって、ワクチンとは異なるものです。お互いの接種時期をずらす必要はありません。
麻疹/風しんワクチン、水痘ワクチン、おたふくワクチンは、効果が低下する可能性があるため、治療から2-3か月空けてから接種します。川崎病などに対して大量ガンマグロブリン製剤投与を受けた場合は、6か月あけてから接種します。
その他のワクチンは接種時期をずらす必要はありません。
ワクチンやその成分で激しいアレルギー反応を起こしたことがなければ、すべての予防接種が可能です。
注射の前に診察をするので、脱ぎ着しやすい恰好が良いです。特に生後2か月の初めての注射の際は、股にボタンがついている服や前開きの服がおすすめです。また、首が据わった後は親御さんにお子さんを抱っこしてもらって注射をすることがあります。椅子に座った親御さんの脚の間にお子さんを挟んでもらうこともありますので、スカートではなくパンツスタイルがおすすめです。
注射の際の嘔吐を防ぐために、接種前30分は授乳や飲食を避けてください。注射を怖がるお子さんにアメやグミなどを少量与える分には構いませんが、注射の前には口の中を空っぽにしておいてください。
接種後30分間は病院の近くにいて、もしもの際にはすぐに駆け付けられるようにしていてください。ごくまれに、アナフィラキシーという非常に強いアレルギー反応が生じることがあるからです。
以下のような症状が見られることがあり、通常は注射後数分以内に生じます。これらの症状が現れた場合は、速やかに受診してください。
普段と同じ程度の運動は構いません。普段以上に激しい運動や、スポーツクラブなどで激しく追い込むような運動は控えてください。
接種から1時間経過したらお風呂に入って構いません。湯舟に浸かってもよいです。ただし、注射をしたところを強くこすらないようにしてください。
また、注射の後熱が出た場合や、体調が悪そうな場合は無理に入らない方が良いでしょう。
血がでていなければ、すぐに剥がしてしまって構いません。剥がす際に少し痛むので、嫌がる場合は数日間貼りっぱなしでも構いません。(いずれ必ず剥がれます)
ほとんどの場合、接種から24時間以内に熱が出て、1日以内に収まります。
麻しん風しん、水痘、おたふくかぜなどの生ワクチンの場合は、接種から1週間前後経過してから熱が出ることがありますが、やはり1日程度で収まることが多いです。
安静にして、自宅ですごしましょう。
元気がない、意識状態がおかしい、呼吸が苦しそう、嘔吐を繰り返している、などの場合はすぐに受診してください。
3日以上発熱が続く、咳が出る、などの場合は、予防接種の副反応ではなく他の病気の可能性があります。やはり受診するようにしましょう。
注射したその日に赤くなることが多いですが、数日後に赤くなることもあります。通常は3-4日で消えますが、時に1か月以上残ることもあります。硬いしこりが数か月残ることもあります。通常は特別な対処は不要ですが、強く刺激しないようにしてください。熱をもっている場合は冷やしてあげると楽になることもあります。肩や肘を越えて広い範囲に腫れが広がる場合や、強い痛みがある場合は医師に相談してください。
熱や注射部位の軽い赤みや腫れ程度であれば、それ以降の予防接種もしっかり行いましょう。回数を重ねるごとに熱がでなくなってくることもあります。
定期予防接種は定められた期間内に接種する必要があります。その時期を過ぎると、自費での接種となってしまいます。ただし、病気や治療(輸血、ガンマグロブリン、人工心肺の使用など)の影響で接種ができなかった場合は公費負担の対象となる可能性があるので、居住地の役所にお問い合わせください。