便秘症
便秘症は、排便が滞ったり出づらくなったりした結果、「苦しい、つらい、嫌だ」などの症状がある状態を指します。以下のような症状がみられたら要注意です。
便秘症が長引くと、お子さんの生活の質が低下し、園生活や学校生活にも悪影響を及ぼすことがあります。また、重度の便秘症例では尿路感染症、おねしょ、排尿障害などの合併症が見られることがあります。早期に適切に治療することですっきり穏やかな日常を送ることができ、様々な合併症を予防することができます。「こんなことで受診していいの?」と思わず、気になる症状がある場合はご相談ください。
子供の便秘症の頻度は比較的高く、報告によっては5人に1人の子供が便秘症で悩んでいると言われます。
便秘症の原因は様々あり、食生活の乱れや運動不足、ストレス、旅行などが影響します。
また、便秘の子供の親や兄弟姉妹の30~62%が便秘の症状を持っていると言われ、遺伝的要因が関与している可能性が高いと言われています。
通常は、便が下りてきて肛門のすぐ近くの腸が広がると、「うんちが来た」という信号が脳に送られて便意が生じます。しかし、便秘症のお子さんは肛門近くまで便がたまっている状態が長く続いている影響で、便意が生じにくい状態になっています。そのまま便がたまり続けるとどんどん水分が吸収され、便が硬くなってしまいます。その結果排便の際にお尻に痛みが生じ、便を我慢する癖がついてしまい、更に便秘を悪化させてしまうという悪循環に陥ります。
この悪循環を断ち切るのが重要であり、治療は早ければ早いほど有効です。
また、便秘が悪化しやすい時期があります。
問診:排便の頻度、便の硬さ、排便時の痛み、生活習慣などを確認します。
診察:お腹の診察(便の貯留など)、出口の診察(肛門の位置異常、見張りいぼなど)を行います。
検査:エコーやレントゲンで便のたまり具合を観察することもあります。
2~3歳のトイレトレーニングの時期に便秘が悪化するお子さんがいます。
便秘症の治療は短期間で終了するものではなく、数か月から数年にわたる継続的な管理が必要です。治療を中断すると再発することが多いため、規則的な排便習慣が身に付くまで治療を続けることが重要です。気長に、一緒に頑張りましょう。