
先生!先日生まれたばかりのうちの子なのですが、1か月健診で「心臓に雑音がある」と言われちゃったんです…。詳しい検査をしたら、「ひだりのハイドウミャク」というところが狭いと言われて、心配です…。
生まれたばかりのお子さんに異常があると言われるととても心配ですよね。
実は、左の肺動脈という血管が少し狭くなる赤ちゃんは非常に多いのですが(末梢性肺動脈狭窄と言います)、大半が自然によくなります。
ここでは、赤ちゃんの時期の末梢性肺動脈について説明します。
心臓の形の概略は、こちらのページをご参照下さい。
【ざっくりと!】
・生後数日~数か月の時期に、左肺動脈が部分的に狭くなる
・多くの場合、出生後に動脈管という血管が閉じて際に左肺動脈も引きずられて変形することで生じる
・1か月健診などで、心雑音で気づかれることが多い
・肺血流量の左右差がなく、時間経過と共に自然に軽快するようであれば治療は不要
・生まれつきの強い狭窄がある場合や、徐々に強い狭窄に進行した場合は治療が必要なこともある
【どうして左肺動脈が狭くなるの?】
左肺動脈とは、左の肺に血液を送る血管のことを言います。
この血管は、胎児の頃動脈管という太い血管がと繋がっています。動脈管は出生後不要になるので、数日で自然に閉鎖します。この時、左の肺動脈(時に右も)がひきつれて、内側の空間が狭くなってしまうことで左肺動脈が狭くなります。
(血管が狭くなることを狭窄(きょうさく)と言います)
【どんな症状?】
左肺動脈の狭い所を血液が通過する際に、「シュッ」という雑音が聞えます。
それ以外に、赤ちゃん本人が苦しい、辛いなどの症状は通常ありません。
【どんな検査をする?】
・心エコー
左肺動脈を直接観察し、血管の太さや形、通過する血流の速度を観察します。
通常左肺動脈内の血流速度は2 m/秒を越えませんが、狭窄があると2m/秒以上の高速の血流が流れる様子が観察できます。
【治療は?】
左の肺動脈の軽い狭窄だけの場合は、一般に治療は不要です。
ただし、狭窄が高度で肺血流量にはっきりと左右差がある場合、動脈管が付着していたところ以外にも複数の狭窄がある場合、肺動脈の手前の右心室の中の血圧が高くなっているような場合などは、稀に治療が必要になることがあります。
ほとんどの場合は心配ないということで、安心しました。早く肺動脈が広がって、雑音もなくなればいいな。
狭窄が進行(≒悪化)しないか確認するため、定期的にエコーを行うこともあります。医師の指示に従って通院を継続してくださいね。