
うちの子、不整脈があるって言われたんです…。
心臓の中の電気の流れに異常があるようなんですが、電気ってどういうことですか?
心電図も見せてもらったんですけど、何のことだかさっぱり分からなくて…。
病院や健診の場で「お子さんは不整脈です」と言われたら、ご家族はとても心配になりますよね。
今回は、心臓の中の電気の流れについて、わかり易くまとめてみますね。
【ざっくりと!】
・心臓は、血液を回収して送り出すポンプです。
・このポンプは、微弱な電流の刺激によって興奮し、収縮することで血液を送り出します。
・電気はランダムに流れるのではなく、刺激伝導系といわれる道筋に沿って、上から下方向にむかって正しい方向に流れます。
・収縮の合図を出す指揮者は一人。洞結節(どうけっせつ)と言います。新生児では1分間に100~200回、成人では1分間に60~100回の合図を送ります。
・心房と心室のつなぎ目は一か所。房室結節(ぼうしつけっせつ)と言います。
ポンプ?血液を送り出す?そもそもそこからよく分からないのですが…
そのような場合は、こちらのページで心臓の形、働きについて説明していますので、是非読んでみてください。
【心臓の中の電気の通り道】
心臓の中には、送電線のような電気の通り道が整備されています。これを刺激伝導系(刺激伝導路)と言います。下の絵では、幹線道路に相当する太い道が描かれています。実際には末梢の方で多数の枝分かれがあって、心臓の筋肉全体に電気の興奮が行き渡り、効率よく収縮できるようになっています。(また、左脚は前枝と後枝の2本存在します)
・興奮:電気が心筋に到達することを「興奮する」と言います。(脱分極、という現象が生じます)
・収縮:心臓の筋肉は、興奮することで「収縮」し、その結果部屋の中の血液を下流に押し出します。
刺激伝導系の中身についてみていきましょう。
・「洞結節 どうけっせつ」:右心房の一番高いところにあります。最初に、「これから収縮しますよー!」と刺激を出す、指揮者のような働きをします(人体に備わっているペースメーカーです)
・「心房」:心房内の刺激伝導系はいくつかに枝分かれして、心房全体を興奮させます。
・「房室結節 ぼうしつけっせつ」:心房と心室の間をつなぐ、唯一の場所です。心房が十分収縮しきって、心室が収縮する準備が整うまで時間稼ぎをするという特徴があります(電気がゆっくり流れる)
・「右脚、左脚」:心室の中の電気の通り道です。右心室を通るのが右脚、左心室を通るのが左脚です。(左脚は2本あります)。極めて短時間(0.1秒未満)の間に心臓の隅々まで電気の興奮を伝えることで、心室は一斉に収縮することが出来ます。
【心電図とは?】
心臓の中の電気の流れを皮膚に貼った電極で観察して得られた波形です。
・P波:最初にみられる、小さな柔らかい形の波です。洞結節と心房の興奮を反映します。
・QRS波:心電図の中で一番目立つ、尖った形の大きな波です。右脚と左脚を一斉に電気が流れ、心室が一気に興奮した際に生じる波形です。
・T波:心室筋が休む時にみられる、柔らかい形の波です。
◎P→QRS→T波の順で、規則正しく出現するのが正常の心電図です。
【不整脈とは?】
不整脈とは、上述の刺激伝導系に異常が生じ、心臓のリズムが不整(リズムがバラバラ)になったり、極端に遅くなったり、速くなったりする状態を言います。
非常に多彩な不整脈があります。
全部理解して覚えきるのは大変ですが、とりあえず、私の子供の病気に関係するところだけしっかり押さえておけばいいんですよね。
その通りです。
分からないことがあったら、遠慮なく院長に聞いてくださいね。