便秘症|天童市泉町の小児科|天童ハート小児科

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便秘症

便秘症|天童市泉町の小児科|天童ハート小児科

便秘症とは?

便秘症とは?

便秘症は、排便が滞ったり出づらくなったりした結果、「苦しい、つらい、嫌だ」などの症状がある状態を指します。以下のような症状がみられたら要注意です。

  • うんちの回数が週に2回以下
  • 硬いうんち(コロコロうんち)
  • 排便時にお尻が痛い
  • お尻が切れて血が出る
  • 大きなうんちでトイレが詰まったことがある
  • いきんでいるのにうんちが出ない
  • 顔を真っ赤にしながらいきむ
  • 足を交差してうんちを我慢する
  • おしっこはトイレでできるのに、うんちは隠れてオムツにする

便秘症が長引くと、お子さんの生活の質が低下し、園生活や学校生活にも悪影響を及ぼすことがあります。また、重度の便秘症例では尿路感染症、おねしょ、排尿障害などの合併症が見られることがあります。早期に適切に治療することですっきり穏やかな日常を送ることができ、様々な合併症を予防することができます。「こんなことで受診していいの?」と思わず、気になる症状がある場合はご相談ください。

便秘症の頻度

子供の便秘症の頻度は比較的高く、報告によっては5人に1人の子供が便秘症で悩んでいると言われます。

便秘症の原因

原因

便秘症の原因は様々あり、食生活の乱れや運動不足、ストレス、旅行などが影響します。
また、便秘の子供の親や兄弟姉妹の30~62%が便秘の症状を持っていると言われ、遺伝的要因が関与している可能性が高いと言われています。

通常は、便が下りてきて肛門のすぐ近くの腸が広がると、「うんちが来た」という信号が脳に送られて便意が生じます。しかし、便秘症のお子さんは肛門近くまで便がたまっている状態が長く続いている影響で、便意が生じにくい状態になっています。そのまま便がたまり続けるとどんどん水分が吸収され、便が硬くなってしまいます。その結果排便の際にお尻に痛みが生じ、便を我慢する癖がついてしまい、更に便秘を悪化させてしまうという悪循環に陥ります。
この悪循環を断ち切るのが重要であり、治療は早ければ早いほど有効です。
また、便秘が悪化しやすい時期があります。

離乳食の開始時期(生後6~12か月)
母乳やミルクだけの時期と比較して便が硬くなるため、便秘になりやすくなります。
トイレトレーニング時期(2~3歳)
最も便秘症が多くみられる時期です。排便の際の痛みや出血の経験があると排便そのものを嫌がるようになり、トイレで排便したがらなくなります。ギリギリまで我慢してオムツやパンツにおもらししてしまいますが、この際叱責されると更に便を我慢するようになって便秘が悪化してしまいます。
入園・入学時期(4~6歳)
園のトイレだと排便できない、学校のトイレで排便するとからかわれるなどの体験から、便意を感じても排便を我慢することで便秘が悪化します。

診断方法

問診:排便の頻度、便の硬さ、排便時の痛み、生活習慣などを確認します。
診察:お腹の診察(便の貯留など)、出口の診察(肛門の位置異常、見張りいぼなど)を行います。
検査:エコーやレントゲンで便のたまり具合を観察することもあります。

便秘症の治療方法

生活習慣の改善

食事療法
食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を積極的に摂取します。夏場の過剰な発汗や水分摂取不足が便秘の原因となることがあるので、脱水にならないように十分な水分を摂ります。
排便習慣の確立
トイレで排便できる子は、規則的な排便習慣を身に付けることが重要です。特に朝食後に毎日トイレに行き、リラックスしてしばらく座る習慣をつけることが効果的です(うんちが出なくても構いません)。時間に余裕を持つために、早寝早起きが重要です。

薬物療法

浸透圧性下剤
便を柔らかくし、排便を促すために使用されます。これにより、便の排出がスムーズになります。
消化管運動賦活薬や漢方薬
腸の動きを活発にし、便秘の症状を改善します。
刺激性下剤
腸の動きを活発にし、便の排出を助けます。長期連用で耐性ができるため注意が必要です。
座薬
腸の動きを活発にし、便の排出を助けます。
浣腸
既に硬い便がたまっており、腹痛がある場合などは浣腸をします。自宅で浣腸が必要な場合は方法を指導します。
綿棒浣腸
0歳の赤ちゃんの場合は、綿棒による肛門刺激が有効です。

上手なトイレトレーニング

2~3歳のトイレトレーニングの時期に便秘が悪化するお子さんがいます。

日常生活の一部として習慣化:
毎日決まった時間にトイレに座る習慣をつけることが重要です。特に朝食後にゆったり座るのが効果的です。
叱らない、褒める:
うんちを上手にできなくても、漏らしてしまっても、叱らないようにしましょう。叱られることで排便を我慢し、便秘が悪化してしまうことがあります。
自分でコントロールできないこと(例:毎日しっかり排便する)よりも、自分でコントロールできること(例:トイレに座る)を積極的に褒める、という姿勢が重要です。トイレを嫌がる時は無理強いしないようにしましょう。
リラックスした環境の提供:
子供がリラックスして楽しくトイレに行けるよう、トイレの環境を整えます(お気に入りのキャラクターのポスターを貼るなど)。子供用の便座や踏み台を用意し、安心して座れるようにします。
適切な姿勢の指導:
「足ぶらぶら」では上手にいきめず、排便できません。踏み台などに足の裏をしっかりつけ、前かがみの姿勢をとることで、腹圧をかけやすくなり上手に排便できるようになります。

長期的な管理

便秘症の治療は短期間で終了するものではなく、数か月から数年にわたる継続的な管理が必要です。治療を中断すると再発することが多いため、規則的な排便習慣が身に付くまで治療を続けることが重要です。気長に、一緒に頑張りましょう。